意識レベルの判断(GCS,JCS)について

医療
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こんにちはNAGIです。

今回は、私が仕事中に分からなくて調べた意識レベルの判別方法を紹介したいと思います。少し難しいのですが、実際に医療の現場で使っている意識レベルの判別方法なのでもしかしたらどこかで使える時が来るかもしれません(笑)判別方法の種類と内容を簡単に紹介したいと思います。

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知っておきたい用語

見当識障害

見当識障害(けんとうしきしょうがい)とは、本人が、自分の名前、日付、場所などが分からなくなります。めちゃくちゃ抽象的に言えば記憶喪失みたいなイメージです。

無動性無言症

起きている時は目をあけ,意識があるようにみえるが,自発的な運動や自発語がない。

屈曲運動(除皮質硬直)

大脳皮質の障害により発現。慢性期の植物状態の患者に多い。

伸展運動(除脳硬直)

中脳の破壊性病変が原因。2つの違いは腕が伸びている(伸展している)か曲がって(屈曲して)いるか。足は両方とも伸びて(伸展して)いる。
伸展運動の方が重症度は高い。

GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)

GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)とは

GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)は、現在、世界的に広く使用されている指標です。救急外来や集中治療室など限られた場所で使用されており、救急科や脳神経外科など一部の診療科であることが多いと思います。

評価方法

意識レベルを開眼を4段階、発語を5段階、運動を6段階に分け、それぞれの最良応答で評価し、合計点で総合評価をします。評価は、最高15点、最低3点で表す。GCS8点以下は緊急度が高いと判断して、早急に原因を検査する必要があります。また、短時間で合計点が2点以上低下した場合も病態が急速に悪化していると判断します。合計点が13点以下であった場合頭の中に病変があるかもしれないので頭部CT検査などを行います。言語と運動は数回繰り返して、最も良い反応で評価します。

GCSをまとめた表を下に貼っておきます。

E:開眼
4点 自発的に開眼
3点 呼びかけにより開眼
2点 痛み刺激により開眼
1点 痛み刺激にでも開眼しない

 

V:最良言語機能
5点 見当識あり
4点 混乱した会話
3点 不適当な発語
2点 理解不明の音声
1点 発語なし

 

M:最良運動反応
6点 命令に応じる
5点 疼痛部位を認識する
4点 痛み刺激から逃避する
3点 痛み刺激に対して屈曲運動を示す
2点 痛み刺激に対して伸展運動を示す
1点 痛み刺激に対して反応なし

 

実際にはE:〇 V:△ M:◇計◎点みたいに表します。挿管中の患者V=Tと表記します。

JCS(ジャパン・コーマ・スケール)

名前の通り日本で広く利用されており、院内だけでなく病院前救護の場も含めて使用されています。Ⅰ:刺激しないでも覚醒している、Ⅱ:刺激で覚醒するが、刺激をやめると眠り込む、Ⅲ:刺激しても覚醒しないの3つに分け、それぞれに対してさらに細かく3段階の状態が決められています。点数が高いほど重症。JCSは覚醒を軸に主に急性期意識障害患者の状態を評価するために作成された指標であるため、二次性意識障害(アルコール中毒など)では正確に評価することは難しい。
下のような場合の時追加で書くことができます。

意識が清明な場合は「0」、不穏状態であれば「R」、失禁があれば「I」、無動性無言症があれば「A」と追記します。

JCSをまとめた表を下に貼っておきます。

Ⅰ:刺激しないで覚醒している状態
0 意識清明
Ⅰ-1 だいたい清明であるが、いまひとつはっきりしない
Ⅰ-2 見当識障害がある
Ⅰ-3 自分の名前、正年月日が言えない

 

Ⅱ:刺激で覚醒するが、刺激をやめると眠り込む状態
Ⅱ-10 普通の呼びかけで容易に開眼する
Ⅱ-20 大きな声または体を揺さぶることにより開眼する
Ⅱ-30 痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すことにより開眼する
Ⅲ:刺激しても覚醒しない状態
Ⅲ-100 痛み刺激に対し、払いのける動作をする
Ⅲ-200 痛み刺激に対し、少し手足を動かしたり、顔をしかめたりする
Ⅲ-300 痛み刺激に反応しない

 

一般的に、「Ⅰ-1」や「Ⅲ-100」と書かれていることが多いですが、正しくは「JCS 1」、「JCS 100」と書きます。

ECS(エマージェンシー・コーマ・スケール)

ECSはJCSにGCSの良いところを取り入れて考案された。病院前救護や救急初療室、集中治療室など多くの場所で使用することができます。しかし、まだ普及率は低いです。ECSは自発的な開眼・発語または覚醒しているといえる動作のなかでどれか一つを観察できるかで意識レベルを評価するため、GCSよりも容易で、JCSのような評価者によるばらつきが生じることはありません。点数が高いほど重症になります。

ECSをまとめた表を下に貼っておきます。

Ⅰ桁:覚醒している Ⅱ桁:覚醒できる
1 見当識あり 10 呼びかけにより
2 見当識なし、または発語なし 20 痛み刺激により

 

Ⅲ桁:覚醒しない
100L 痛みの部位に四肢を持っていく、払いのける
100W 引っ込めるまたは顔をしかめる
200F 屈曲する
200E 伸展する
300 動きなし

 

まとめ

今回はJCSやGCSなど少し難しいことをお話していきました。実際に使われている指標なので医療ドラマなどで見かけるかもしれません。そんな時は胸を張って説明してあげましょう(笑)私は自分の知識はできるだけアウトプットしたいのでこれからもこのような記事も上げて行こうと思います。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!

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