こんにちはNAGIです。
今回は、第74回診療放射線技師国家試験午後のMRIの解説をしてきたいと思います。
第74回の午前も解説してますので、午前が見たい方は下のリンクからお願いします。

解説
午後12 MRI の撮影中に検査室内に発生する規則的な音の原因で考えられるのはどれか。
1.静磁場の回転
2.クエンチの発生
3.傾斜磁場の印加
4.電源装置の振動
5.RF パルスの印加
- ×
- ×
- ○ MRIの騒音の原因は傾斜磁場です。
- ×
- ×
もう1つ規則的な音として、冷却ポンプの音もあります。これは超伝導型に限るのですが超伝導状態を保つために液体ヘリウムを循環させているために起こる音です。ほとんどの病院では超伝導MRIを使用しているのでよく耳にする音です。この音は検査中問わずになっています。
午後15 MRI の化学シフト(共鳴周波数の差)を用いた脂肪抑制法として誤っているのはどれか。
1.SPIR 法
2.STIR 法
3.CHESS 法
4.DIXON 法
5.二項励起パルス
- 正しい。
- 誤り。
- 正しい。
- 正しい。
- 正しい。
難しい用語が出てきたときは、まず自分の知っている知識を使って選択肢を削っていけば国家試験は正解にたどり着きます。
まず、脂肪抑制法で覚えておかなくてはいけないのはSTIR法とCHESS法です。
この2つの脂肪抑制法はきちんと理解する必要があります。
・STIR法
IRパルスを使用し、T1の差を利用して脂肪抑制する方法。非選択パルスを利用。IRパルスを印加して脂肪がnull pointになるようにTIを設定する。
CHESS法と比較すると低磁場装置でも使用できる。磁場の不均一に強い。SNRは低い。撮像に時間がかかる。脂肪を選択的には抑制できない。
・CHESS法
化学シフトの差を利用して脂肪抑制する方法。選択パルスを使用。
STIR法と比較すると低磁場装置ではあまり適さない。磁場の不均一に弱い。SNRは高い。撮像時間は短い。脂肪を選択的に抑制できる。
これくらいの知識があれば十分です。この知識があれば選択肢を全部見なくても答えれます。正解はSTIR法なのですが、ほかの選択肢も脂肪抑制法なので、頭の片隅にでも入れておいてもいいかもしれないです。
SPIR法は一見STIR法とほぼ一緒ではないのかと思いますが、SPIR法は脂肪のみに180°パルスを印加するので、共鳴周波数の差を利用します。SPIR法はSTIR法とCHESS法の真ん中ぐらいで覚えておくといいと思います。
午後17 脳のファンクショナル MRI で解析対象の信号源に利用されるのはどれか。
1.BOLD による磁化率効果
2.MT パルスによる磁化移動効果
3.MPG による水分子拡散強調効果
4.CHESS パルスによる脂肪信号抑制効果
5.ガドリニウム造影剤による緩和時間短縮効果
- ○
- × MRAなどに利用する。
- × DWI(拡散強調像)の際に利用する。
- ×
- × 造影剤は使用しない。
ファンクショナルMRI(fMRI)はBOLD法を使うことは覚えておいた方がいいと思います。
午後21 SE 法と比較した高速 SE 法の特徴で正しいのはどれか。
1.撮影時間の延長
2.脂肪の低信号化
3.磁化率効果の減少
4.画像の高コントラスト化
5.パーシャルボリューム効果の減少
- × 短縮する。
- × 高信号化する。
- ○
- × コントラストは低下する。
- × 関係がない。
SE法と比較した高速SE法の特徴
・撮影時間の短縮
ETLを設定することにより時間短縮が可能。
・脂肪の高信号化
J-カップリングによる脂肪組織のT2が延長し、脂肪組織の高信号化
・磁化率効果の減少
1回のTRの中に180°パルスを何度も印加するので、磁化率の影響をあまり受けない。磁化率の影 響はEPI、GRE、SE法、高速SEの順番で影響される。
・SARの増加
短い時間で180°パルスを印加するのでSARは増加する。
・軟部組織コントラストの低下
脂肪のようにコントラストが変わるのでコントラストは低下する。
まとめ
今回は第74回診療放射線技師国家試験の午後MRIの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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