こんにちはNAGIです。
今回は、第74回診療放射線技師国家試験午前のCTの解説をしてきたいと思います。
解説
午前10 マルチスライス CT と比較した歯科用コーンビーム CT の特徴で正しいのはどれか。
1.撮影時間が短い。
2.撮影領域が広い。
3.空間分解能が高い。
4.濃度分解能が高い。
5.画素濃度値の正確性が高い。
- × 撮影時間はマルチスライスより長い。5~40秒程度。
- × 範囲は歯科領域しか撮影できないので狭い。
- ○
- × 濃度分解能は低い。
- × 画素濃度値の正確性も低い。
歯科用コーンビームCTは歯や骨に対して最適化されているので、軟部組織などは見にくい。なので濃度分解能が低い。また、歯など細かい部分を観察するので、空間分解能は高くなっている。
午前11 デュアルエネルギー CT で正しいのはどれか。
1.サイクロトロンによる放射光を使用する。
2.高速スイッチング方式では、2つの X 線管が実装されている。
3.エネルギーが低い仮想単色 X 線画像ではヨードの CT 値が増加する。
4.通常の X 線 CT よりビームハードニングアーチファクトが増加する。
5.物質弁別において2つの基底物質は、実効原子番号が同一となる物質を選択
する。
- ×
- × 1つの管球で高速で電圧を変えて撮影を行う。
- ○
- × ビームハードニングアーチファクトは減少する。メタルアーチファクトも減少する。
5. ×
午後11 CTDI 及び DLP で正しいのはどれか。
1.CTDI の単位は mSv である。
2.DLP の値は実測により得られる。
3.DLP の値は患者の性別によって異なる。
4.CTDI の値は検査部位が異なっても同一である。
5.いずれも患者の被ばく線量の評価に用いられる。
- × 単位はmGy DLPの単位はmGy・cm
- × DLPはCTDIvolに照射中のテーブル移動範囲をかけたもの。
- × 性別では変わらない
- × 検査部位が変わるとCTDIの値も変わる。
- ○
午後64 ヨード造影剤の総量 100 mL を2mL/秒の速度で静脈投与して造影 CT を行った場合に、検査を受けた患者にみられる頻度が最も高いのはどれか。
1.嘔 吐
2.熱 感
3.腎不全
4.ショック
5.じん麻疹
- ×
- ○
- ×
- ×
- ×
選択肢すべてヨード造影剤の副作用として考えられるが、最も高頻度に見られるのは熱感。ほぼ100%の人にみられます。熱感が起こる原因としてヨード造影剤は温度が低いと粘調度が増し、副作用が起きやすくなるので、保温器ですこし温めてあります。また、造影剤が血管内に入ると浸透圧の違いで血管内に細胞からの水分が移動します。その移動の際に熱が発生します。そのふたつの原因から熱感を感じます。この選択肢の中で最も起こりにくいのはショックです。
午後89 CT コロノグラフィで正しいのはどれか。
1.心電図同期撮影を行う。
2.背臥位と腹臥位で撮影する。
3.大腸内部の色調が観察できる。
4.硫酸バリウムで大腸を充満させる。
5.fine network pattern を描出できる。
- × 心電図同期撮影は行わない。
- ○ 2体位で撮影を行う。
- × 炭酸ガスで拡張しているので、色調までは観察できない。
- × 炭酸ガスを充満させる。
- × fine network patternは大腸粘膜面の微細な網の目状構造のこと。大腸二重造影で
描出でき、CTコロノグラフィでは観察できない。
午後92 水溶性ヨード造影剤で正しいのはどれか。
1.血漿に比べて浸透圧が低い。
2.使用前にはヨードテストを実施する。
3.経口投与では大部分が尿中から排泄される。
4.投与した患者の 10〜15 %に副作用が発生する。
5.非イオン性製剤はイオン性製剤に比べて即時型副作用が少ない。
- × 浸透圧は高い
- × ヨードテストは行わない。
- × 静脈投与なら正しい。
- × だいたい3~5%ぐらいで、そんなに高くない。
- ○
まとめ
今回は第74回診療放射線技師国家試験のCTの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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