こんにちはNAGIです。
今回から国家試験のCTの問題の解説もしていきたいと思います。CTは基本1年分ごとに解説していきたいと思います。
第73回の解説のリンク下に貼ってますので、第73回が見たい方はそちらからどうぞ

解説
午後5 X 線 CT 装置のアーチファクトで装置の調整や整備が必要となるのはどれか。
1.メタルアーチファクト
2.リングアーチファクト
3.モーションアーチファクト
4.パーシャルボリュームアーチファクト
5.ステップアップ(階段状)アーチファクト
- × メタルアーチファクトは金属が原因で発生する。装置は関係ない。
- ○ リングアーチファクトは検出器の故障などが原因で起こる。装置の整備が必要。
- × モーションアーチファクトは患者の体動が原因で発生する。装置は関係ない。
- × パーシャルボリューム(部分体積効果)はピクセル内のCT値が平均化される現象で、装置は関係ない。
- × スネアステップアーチファクトはスライス厚に対して大きい再構成関数に設定することで発生する。装置は関係ない。
午後9 CT 値が 85 HU である組織の X 線減弱係数 μA と、 CT 値が 10 HU である組織のX 線減弱係数 μB の比 μA/μB に最も近いのはどれか。ただし、μA、μB はいずれも CT 装置で用いられる X 線に対する値とする。
1.1.01
2.1.07
3.1.68
4.6.00
5.7.82
CT値の公式を下に示す。
CT値(HU)=(μt-μw)/μw×1000
μt:組織の線減弱係数 μw:水の線減弱係数
今回μwの値は問題に提示されていないので、ここでは1として計算していく。
まずそれぞれ式をたてて整理していく。
μA
85=(μA-1)/1×1000
μA=1.085
μB
10=(μB-1)/1×1000
μB=1.010
μA/μB
μA/μB=1.085/1.010
≒1.07
公式を覚えていないと解けないので、CT値の公式は覚えておくべきです。この他にも色々な解き方があると思いますが、これが分かりやすいかなと思います。
午後10 X 線 CT 装置の自動露出機構について誤っているのはどれか。
1.患者被ばくの低減に寄与する。
2.部位や体型に応じて管電流を制御する。
3.骨盤部では中腹部よりも線量を多くする。
4.肺底部では肺尖部よりも線量を多くする。
5.位置決め用スキャンデータから照射する線量を求める。
- ○ AECは被ばく低減に関与する。
- ○ 部位や体格によって管電流を変更する。元のデータとなるのは位置決め用スキャンデータで決定する。
- ○ 骨盤部では中腹部よりも線量は多く設定する。
- × 肺底部と肺尖部ではそこまで線量は変わらない。
- ○ 位置決め用スキャンデータを元にして線量を決めている。
午後 93 冠動脈 CT に用いられる画像表示法で、冠動脈内腔の中心線抽出が必要なのはどれか。
1.VR
2.MIP
3.MinIP
4.Raysum
5.Curved MPR
- × VRは3次元的に表示されるので内腔の中心線描出は関係ない。
- × MIPは最大値投影法で臨床現場ではよく用いられるが、内腔の中心線描出は必要ない。
- × MinIPは最小値投影法でこちらも、内腔の中心線描出は必要ない。
- × Raysumは投影経路中の平均値をその光線の信号値とする。RaySumで処理すると単純X線画像のような画像となる。内腔の中心線描出は必要ない。
- ○ Curved MPRは血管など曲がっているような場所を1断面で描出したい場合に用いる。なので内腔の中心線描出は必要。
まとめ
今回は第72回診療放射線技師国家試験のCTの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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