こんにちはNAGIです。
今回は、第73回診療放射線技師国家試験午後のMRIの解説をしてきたいと思います。
第73回の午前の解説がみたい方は下にリンク貼ってるのでそちらからお願いします!!

解説
午後15 MRI で撮影時間が 1/2 になるのはどれか。
1.加算回数を2倍にする。
2.SENSE factor を2倍にする。
3.位相エンコード数を2倍にする。
4.周波数エンコード数を 1/2 にする。
5.高速スピンエコー法のエコートレイン数を 1/2 にする。
この問題は公式が入っていれば解けます。
撮像時間の公式は
撮像時間=(TR×位相マトリクス数×加算回数)/(エコートレイン数×パラレルイメージングファクタ)
- 誤り。時間が2倍になる。
- 正しい。SENSE factorはパラレルイメージングファクタのことなので時間は1/2になる。
- 誤り。時間が2倍になる。
- 誤り。周波数エンコード数は関係ない。
- 誤り。時間が2倍になる。
午後16 上腹部 MRI における細胞外液性ガドリニウム造影剤を使用した T1 強調ダイナミック撮影について正しいのはどれか。
1.腎癌の診断に有用ではない。
2.膵癌の診断に有用ではない。
3.動脈相では、脾臓の造影効果は肝臓のそれよりも低い。
4.動脈相の撮影は、造影剤投与開始後5分程度で開始する。
5.動脈相では、腎皮質の造影効果は腎髄質のそれよりも高い。
- 誤り。腎癌の診断に有用である。
- 誤り。膵癌の診断に有用である。
- 誤り。これも画像を見てもらったら分かるのですが、脾臓の方が造影効果は高いです。
- 誤り。ダイナミック撮影なので、大体投与開始後約30秒後に開始する。肝細胞相では20分から40分後に撮影する。
- 正しい。消去法でこれを選択すればいいと思います。
午後17 MRCP の適応とならない疾患はどれか。
1.膵 癌
2.肝血管腫
3.総胆管癌
4.胆囊結石
5.慢性膵炎
MRCP(Magnetic Resonance Cholangio Pancreatography)(MR胆管膵管画像)
なので、適応は、膵臓、胆嚢、膵管、総胆管などです。肝臓も近くなので見えますが、問題の意図としてはMRCPとは何のことを言っているのか理解しているかの問題だと思うので深く考えなくてもいいと思います。
午後19 腎性全身性線維症(NSF)の危険因子と考えられるのはどれか。
1.血液脳関門の破綻
2.著しい eGFR 値の低下
3.超常磁性酸化鉄製剤の使用
4.イオン性ヨード造影剤の使用
5.ガドリニウム造影剤に対するアレルギー歴
腎性全身性繊維症(NSF)は重症腎障害患者での皮膚の腫脹や発赤、進行によって皮膚の硬化や関節の硬縮などが生じる。Gd製剤と関係が深いのでeGFR30mL/min/1.73m2未満の腎不全患者には原則として投与しないことが推奨されている。
このことを踏まえて、
- 誤り。血液脳関門(BBB)の破綻は関係ない。
- 正しい。
- 誤り。超常磁性酸化鉄製剤はSPIOのことなのでGd製剤ではない。
- 誤り。イオン性ヨード造影剤は造影剤腎症(CIN)の危険因子となる。
- NSFはGd製剤のアレルギーの既往歴は関係がない。
午後21 MRI における SAR で正しいのはどれか。
1.静磁場強度が大きいほど低下する。
2.フリップ角が小さいほど上昇する。
3.電気伝導率が高い組織ほど低下する。
4.被検者の体格が大きいほど低下する。
5.デューティサイクルが高いほど上昇する。
これはSARの公式を知っていれば解けます。
均一な球体組織の平均SARの公式
SAR∝σr2B02α2D
∝:比例という意味
σ:電気伝導率
r:半径
B0:静磁場強度
α:フリップ角
D:デューティーサイクル
デューティーサイクルはスライス厚やTRにも関係します。SARの問題はSARの単位(W/kg)。TRが短くなるとRFパルスの間隔が短くなるので、SARは大きくなる。
- 誤り。静磁場強度は大きいほど上昇する。
- 誤り。フリップ角は大きいほど上昇する。
- 誤り。電気伝導率は高いほど上昇する。
- 誤り。被験者の体格は半径に値するので、体格が大きいほど上昇する。
- 正しい。
まとめ
今回は第73回診療放射線技師国家試験の午後MRIの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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