こんにちはNAGIです。
今回は私が就職して初めて起こった出来事についてとその出来事について少しお話ししたいと思います。
事件発生!!
それは私が今週CT検査をしている時でした。だいぶCT検査も慣れてきて造影検査をしている時にその事件は起きました。患者に副作用が出たのです!!私は初めて近くで副作用が出たのを見ました。その時私は、検査自体が終わって患者を下ろそうとしていました。造影剤を入れた後、副作用が出る可能性があるので、患者に気分の変化はないか見なければいけません。私が聞いたとき、大丈夫と言っていたのですが返事が曖昧で少し顔が赤い気がしました。変に思ったのでもう一度聞いてみると顔がかゆいと。それを聞いた私はすぐに近くにいた先輩を呼んで、放射線科医の先生も呼びました。時間が経つにつれて顔全体が赤くなり、蕁麻疹が出てきました。私は、患者の様子を見ることはその人の生死に関わるかもしれないことだと実感しました。先輩たちの対応が早かったのもあり幸いにも蕁麻疹が出ただけでおさまりました。今回は、こんな経験も含め、造影剤について少しお話ししたいと思います。
造影剤とは?
撮影の際に画像にコントラストを付けたり特定の組織を強調して撮影するために患者に投与される薬。造影剤を使用することで普段見つけれないような病気を見つけれる。造影剤は使用する装置や使用する部位によって使い分けられる。その中でも今回はCT検査でよく使われているヨード造影剤について説明します。主に癌の捜索や血管内などの異常を見ます。ヨード造影剤は尿から排泄されるので、腎臓などの尿路系の検査も可能です。ヨード造影剤は通常24時間後でほぼすべて排出されます。
造影剤の副作用
造影剤も薬ですから副作用があります。造影剤の副作用の約70%は、造影剤注入後5分以内に発生するといわれています。ただし、中には24時間後に発生する遅発性副作用があります。なので、すぐに副作用が出なかったからもう出ないということはありません。また、前回副作用が出なかったからといって次に副作用が出ないということもありません。軽度なものは約3%(100人に3人)、重篤なものは約0.025%(4千人に1人)程度。約0.001%(10万人に1人)の割合で死亡してしまいます。
軽微な副作用
・熱感
・かゆみ
・発疹
・くしゃみ、咳
・嘔気など
熱感はほとんどの人が起こります。熱感はすぐに治ります。
重篤な症状は、
・アナフィラキシーショック
・呼吸困難
・血圧低下
・顔面蒼白
・チアノーゼ
・虚脱
・昏睡
・心臓停止など
その他の症状
眩暈、しびれ、咽頭浮腫、冷汗、悪心、脱水症、 浮腫、気管支痙攣、喉の違和感などあります。
このような症状がでたらすぐに近くの人に知らせましょう!
次に、造影剤腎症について説明します。
造影剤腎症
造影剤腎症とは、CT検査や冠動脈造影などの検査で使用するヨード造影剤によって起きる腎臓の障害のことです。一時的な腎臓の障害で治る事が多いのですが、時折透析が必要になったり、極稀に腎臓が悪くなったまま戻らなくなったりする事もあると言われています。
造影CT検査できない人
誰もが造影検査できるわけではありません。ここでは検査できる人、注意しなければいけない人について説明します。
検査できない人
・ヨード又はヨード造影剤に過敏症の既往歴のある人
・重篤な甲状腺疾患のある人
注意しなければならない人
・喘息の患者
・腎機能不良の患者
・造影剤副作用発症歴がある方過去に造影剤を使用して気分が悪くなった人
・アレルギー(気管支喘息、花粉症、蕁麻疹等)がある人
・もともと腎臓病、心臓病などの持病がある人
・妊娠中か、その可能性のある人
喘息の方やアレルギーのある人も副作用が出やすいといわれています。腎機能が悪い人は腎機能を悪化させてしまうので、検査できません。
注意しなければいけない内服薬
造影剤で注意しなければいけない薬について紹介します。
ビグアナイド系糖尿病薬
簡単に言えば糖尿病の薬の一種。腎機能障害がある場合、排泄が遅延する。検査前後2日開けておくと大丈夫。
βブロッカー
アナフィラキシーショックが起きた時にグルカゴンを投与するのですが、これを飲んでいるとグルカゴンの効果が薄れてしまう。βブロッカーを内服している人は、変わりの薬があります。こういった薬は問診の際に必ず聞かれるので自分の飲んでいる薬を把握しておきましょう!
血管外漏出
副作用のほかにもうひとつ注意しなければいけないことがあります。それは血管外漏出です。きちんと造影剤が血管に入らなくてその周りに漏れること。CTの造影剤検査は機械で注入するので途中で針が抜けてしまい漏れ出す、ということもある。通常血管外漏出すると針を刺している部分は大きく腫れ、痛みが生じます。漏れ出した造影剤が少しならいいのですが、大量に漏れ出してしまうとコンパートメント症候群になり可能性があります。コンパートメント症候群とは、造影剤が血管外に漏れると、前腕の筋膜と骨で囲まれた閉鎖された区域(コンパートメント)の圧が上昇して、血管を圧迫します。すると血行がなくなり、手先から言わば、腐るということが起こってしまいます。
最後に
査をするのにこんなにリスクはあるが、検査をする価値はある。診断するうえでは欠かせない検査。ほとんどの人は副作用もなく、検査を受けれます。最後に注意点をまとめておきます。
造影検査を受けるときの注意点
・できるだけ検査前後は水分をとる。検査前は大体のところは絶食、水は飲んでもよい。しかし、検査する病院の指示があればそちらに従う。
・検査中少しでも違和感があれば命にかかわることかもしれないので遠慮せず、すぐに技師の人に言う。家に帰ってからでも遅いと思わず、病院に相談する。
・もし副作用が起きて、次造影剤の検査をするときは必ず前の検査の時副作用があったと言う。体重も聞かれるのでだいたいでいいので答えられるようにする。
上記の注意事項を守れば、ほぼ安全に検査することができる。しかし、副作用は事前にわかることではないので、防ぎようがないのも事実。実際自分が検査になったときは、怖がらずに検査してほしい。メリットがデメリットを上回る検査はありません。わからないことがあれば近くにいる技師さんに気軽に聞いてほしいです。
今回は私の体験談とともに造影剤について少しお話ししました。決して怖いものと思わず検査してほしいと思います。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
コメント