こんにちはNAGIです。
今回は、第70回診療放射線技師国家試験のMRIの問題を解説していきたいと思います。今回も午前と午後の分けて解説していきたいと思います。
解説
午前12 MRI 装置について誤っているのはどれか。
1.RF コイルは受信コイルとして機能する。
2.高周波回路系送信部は RF パルスを生成する。
3.傾斜磁場コイルでスピンの位置情報を付加できる。
4.高周波回路系受信部は MR 信号をデジタル化する。
5.QD (quadrature detection)コイルは傾斜磁場コイルの一つである。
- 正しい。
- 正しい。
- 正しい。
- 正しい。
- QDコイルはRFコイルなので、傾斜磁場コイルではない。傾斜磁場コイルはグラディエントコイルがある。よく聞くコイルはRFコイル。
午前13 MRI 撮影時に生じる大きな音の発生源はどれか。
1.静磁場磁石
2.受信用コイル
3.送信用コイル
4.傾斜磁場コイル
5.クライオスタット
傾斜磁場コイルが原因で大きな音が生じる。安全性と一緒に覚えると覚えやすいと思う。
午前15 パラレルイメージングを併用した高速スピンエコー法で撮影した場合の撮影時間(s)はどれか。
た だ し、TR 4,000 ms、TE 100 ms、FOV 32 cm、周 波 数 エ ン コ ー ド 数 512、
位相エンコード数 256、エコートレイン数 32、加算回数2、パラレルイメージング
ファクタ4とする。
1. 8
2. 16
3. 32
4.262
5.512
まず最初にどのパラメーターが撮像時間に影響するのか、理解する必要がある。
今回使う公式はFSE法にパラレルイメージングを考慮した公式を利用する。この公式を覚えていれば撮像時間の問題は解ける。
撮像時間=(TR×位相マトリクス数×加算回数)/(エコートレイン数×パラレルイメージングファクタ)
この公式に単位に気を付けながら数値を当てはめると解ける。
撮像時間=(4×256×2)/(32×4)
撮像時間=16(s)
となる。
午前16 拡散強調像について誤っているのはどれか。
1.見かけの拡散係数が得られる。
2.b 値は MPG パルスの間隔を示す。
3.急性期脳梗塞の診断に用いられる。
4.撮影には一般的に EPI 法が用いられる。
5.組織の水分子のブラウン運動の大きさを画像化する。
- 正しい。
- b値はMPGパルスの強さを示している。間隔は表していない。
- 正しい。
- 正しい。
- 正しい。
午前17 TOF 法 MRA で血管内の信号低下の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。
1.渦 流
2.栓 流
3.層 流
4.乱 流
5.定常流
TOF法で信号が低下するのは流入効果を利用しているから。
- 渦流は血管内で血流が渦を巻いたように流れる。信号の低下の原因となる。
- 栓流は理想的な血流状態で流速などが均一の状態。
- 層流は実際の血管の血流状態で真ん中ほど速度が速い。
- 乱流は流れる方向が一定ではなくバラバラの状態。信号の低下の原因となる。
- 血流状態とあまり関係がない。
これぐらい覚えておけば大丈夫。
午前18 MRI のアーチファクトで正しいのはどれか。
1.マジックアングルアーチファクトは T2 強調像で強く現れる。
2.化学シフトアーチファクトは静磁場強度が高いほど大きくなる。
3.折り返しアーチファクトはスライスを厚くすることで回避できる。
4.モーションアーチファクトはインターリーブ法によって抑制できる。
5.エヌハーフアーチファクトは信号のデータ収集を打ち切ることで生じる。
- マジックアングルアーチファクトはT1強調像もしくはプロトン密度強調像などのTEの短いシーケンスで発生する。
- 化学シフトアーチファクトは静磁場強度が高いほど大きくなる。化学シフトアーチファクトのピクセルのずれの公式を覚えていれば大丈夫。 Px=(3.5×10⁻⁶ γB)/(BW/Nx)
- 折り返しアーチファクトはスライスを変えても変わらない。FOVを大きくすれば改善できる。
- インターリーブ法はクロストークアーチファクトの軽減方法。
- データ打ち切りで生じるのはトランスケーションアーチファクト。エヌハーフアーチファクトはEPI法特有のアーチファクトで位相エラーによって生じる。
午前19 脳白質神経路の走行を推定するのに用いられるのはどれか。
1.ASL (arterial spin labeling)
2.BOLD (blood oxygenation level dependent)
3.DTI (diffusion tensor imaging)
4.MRA (magnetic resonance angiography)
5.VBM (voxel-based morphometry)
- ASLは非造影脳灌流評価のことで神経の走行は見られない。
- BOLDはfMRIの時に使用して、脳血流を画像化する。
- DTIは拡散テンソル画像のことで脳白質神経路の走行を推定できる。EPI法を用いる。
- MRAは血管を描出する。
- VBMは全脳を対象にした白質や灰白質の密度をボクセルごとに評価する方法。
まとめ
今回は第70回診療放射線技師国家試験の午前MRIの解説をしました。次回は午後の部を解説しますので良ければ参考にしてください。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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