こんにちはNAGIです。
今回は、第68回診療放射線技師国家試験午前のMRIの解説をしてきたいと思います。
今回は午前と午後に分けて解説したいと思います。
解説
午前12 MRI 装置の静磁場が強い場合、正しいのはどれか。
1.SAR が低下する。
2.縦緩和時間が短縮する。
3.T2*による影響が減少する。
4.撮影可能な範囲が狭くなる。
5.Larmor(ラーモア)周波数は低くなる。
静磁場が強い場合、
- SARは増加する。
- 縦緩和時間は延長する。(T1)
- T2*による影響が増加する。
- 撮影可能な範囲が狭くなる。これは直接的な意味ではなく、おそらくSARが増加することによって撮像範囲が狭くなる。
- ラーモア周波数は高くなる。
静磁場が強いと磁場の影響が大きくなるので、熱が発生しやすく、磁化率の変化も大きくなる。
午前13 MRI 装置で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.永久磁石は磁気材料の温度依存性が少ない。
2.永久磁石は超電導磁石に比べ維持費が安い。
3.超電導磁石の静磁場方向は体軸に平行である。
4.常電導磁石は常時液体ヘリウムで冷却する必要がある。
5.超電導磁石は超電導状態になれば液体ヘリウムは必要ない。
- 永久磁石は磁石材料の温度依存性が大きい。何種類かの材料を使っている。
- 正しい。超電導磁石は電源を付けたり切ったりできないので維持費がかかる。また液体ヘリウムで超電導を保っているのでコストがかかる。
- 正しい。静磁場方向は金属が引っ張られる方向と覚えておくと理解しやすいかも。
- 液体ヘリウムで冷却するのは超電導磁石。
- 超電導磁石は超電導状態になってもその状態を保つために、液体ヘリウムを使用する。
午前15 MRI で撮影時間が 1/2 になるのはどれか。
1.加算回数を倍にする。
2.SENSE factor を倍にする。
3.位相エンコード数を倍にする。
4.周波数エンコード数を 1/2 にする。
5.高速スピンエコー法のエコートレイン数を 1/2 にする。
撮像時間の公式は
撮像時間=(TR×位相マトリクス数×加算回数)/(エコートレイン数×パラレルイメージングファクタ)
ここでは、パラレルイメージングファクタはSENSE factorのことを指します。
撮像時間を半分にしようとすると、加算回数は半分にし、SENSE factorは倍、位相エンコードは半分、エコートレイン数は倍にする。周波数エンコード数は関係ない。
午前16 MRA で正しいのはどれか。
1.PC 法は血流の方向に MPG パルスを印加する。
2.PC 法は velocity encoding の設定が必要である。
3.TOF 法は流速の定量評価が可能である。
4.TOF 法は血流による位相変化を利用している。
5.TOF 法は撮影断面と平行な血管を描出しやすい。
- MPGパルスは拡散強調像を撮像するときにかける。
- 正しい。velocity encoding(VENC)の設定により流速が測定できる。
- 流速の定量評価ができるのはPC法。
- TOF法は流入効果を利用している。PC法が位相変化を利用している。
- TOF法は撮影断面に垂直な血管を描出しやすい。PC法は平行な血管を描出しやすい。
それぞれ区別して覚えないと、たまに間違えたりするかも。
午前18 Gd – EOB – DTPA で正しいのはどれか。
1.経口投与する。
2.強磁性体である。
3.尿中には排泄されない。
4.肝細胞に特異的に集積する。
5.高齢者への投与は禁忌である。
- 経口投与するのは、塩化マンガン四水和物やクエン酸鉄アンモニウムの2つ。
- Gd – EOB – DTPAは常磁性体。SPIOは超常磁性体。あとの造影剤は常磁性体。
- Gd – EOB – DTPAは主に尿排泄。
- 正しい。クッパー細胞に取り込まれるのはSPIO。
- 高齢者への投与は禁忌ではない。
まとめ
今回は第68回診療放射線技師国家試験の午前MRIの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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