こんにちはNAGIです。
今回から国家試験のCTの問題の解説もしていきたいと思います。CTは基本1年分ごとに解説していきたいと思います。
解説
午前5 X 線 CT で円形の被写体の中心部が低 CT 値になるアーチファクトはどれか。
1.メタル
2.リング
3.カッピング
4.キャッピング
5.パーシャルボリューム
- × メタルアーチファクトは金属が原因で起こる。
- × リングアーチファクトは検出器の故障が原因で起こる。
- ○ カッピングアーチファクトはビームハードニング現象が原因で起きる。外側より中心部のCT値が低下する現象
- ×
- × パーシャルボリューム(部分体積効果)はピクセル内のCT値が平均化される現象で、スラ イス厚の大きいときに顕著に現れる。
午前63 緊急 CT で造影剤の使用が必要なのはどれか。
1.脳出血
2.肺 炎
3.肺血栓塞栓症
4.腰椎圧迫骨折
5.尿路結石
この中で造影剤の使用が必要なのは、肺血栓塞栓症。その他は基本的には造影剤は使用しない。その他に造影剤を使用するのは、動脈解離、骨盤骨折による出血など。
午前90 X 線 CT 検査で正しいのはどれか。
1.頭部の撮影では両手を挙上させる。
2.高分解能 CT では薄いスライス厚を使用する。
3.肺を観察するときのウインドウ幅は 100 HU 程度とする。
4.肝臓のダイナミック CT 検査では造影剤を動脈内に投与する。
5.ビームハードニングの低減には管電流を大きくすることが効果的である。
- × 頭部撮影で挙上させると腕でノイズが発生し、画質が低下する。撮影部位の周りに
は手など被らないようにする。
- ○ 高分解能CT(HRCT)では1mm程度の薄いスライス厚を使用する。
- × 肺を観察するときウインドウ幅(WW)は1500HU程度と広いWWを使用する。
- × CT検査では基本造影剤を静脈内に投与する。血管造影などで動脈内に投与することがあるが、基本は静脈内に投与する。
- × ビームハードニングは管電流を大きくするほど大きくなる。
午後5 X 線 CT 検査に関連する用語の組合せで関係ないのはどれか。
1.心臓 CT 心電図同期
2.拡大再構成 時間分解能
3.ビームピッチ 寝台速度
4.CT 用自動露出機構 被ばくの最適化
5.ボーラストラッキング 時間濃度曲線
- 関係あり 心臓CTをするうえでは心電図同期は必ず使用する。拡張中期もしくは収縮末期で収集を行う。
- 関係なし 拡大再構成と時間分解能は関係がない。
- 関係あり ビームピッチ(ピッチファクタ)は一回転当たりの寝台距離とX線のビーム 幅で決まる。公式は下に示す。
ピッチファクタ=一回転当たりの寝台の移動距離/X線のビーム幅
- 関係あり CT-AECは被ばくの最適化するためのものなので関係ある。
- 関係あり ボーラストラッキングは時間濃度曲線を見ながら撮影のタイミングを決める方 法。もう1つの方法としてテストインジェクションがある。テストインジェクションは少量の造影剤を注入し、そのデータから撮影のタイミングを決定する方法。テストインジェクションの方が確実だが手間がかかり、被ばくも増えるのであまり使われない。
午後13 CT において、部分体積効果を減少させるのはどれか。ただし、他の撮影条件は一定に保つものとする。
1.管電圧の低下
2.管電流の増加
3.スライス厚の減少
4.ピッチファクタの増加
5.逐次近似法による画像再構成
部分体積効果(パーシャルボリューム効果)はピクセル内のCT値が平均化される現象で、辺縁の組織が見にくくなったりする。部分体積効果はスライス厚が薄く、高分解能な画像では減少する。この選択肢の中でそれに当てはまるのはスライス厚の減少。その他は部分体積効果を減少できない。
午後87 CT による Autopsy Imaging(死亡時画像診断)について正しいのはどれか。
1.適切な感染対策を施す。
2.遺族の同意確認は必要としない。
3.医療事故調査の目的で行ってはならない。
4.通常の臨床での検査より低線量で検査を行う。
5.遺体に挿入されたデバイスは抜去し撮影することが原則である。
- ○
- × 遺族の同意は必要。
- × 医療事故調査目的で検査可能。
- × 通常の線量で検査を行う。
- × 特にデバイスを抜去しなくても問題はない。
まとめ
今回は第73回診療放射線技師国家試験のCTの解説をしました。不明な点などあれば気軽にコメントしてください。今回はこの辺で終わりたいと思います。それでは!!
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